山田さま
おはようございます。大分の桜は機能の温かさで一気に5分咲きへと開花しました。今週は愛犬との桜並木散歩が楽しめそうです。
山田さまの地域の様子はいかがでしょうか?
引き続きのお返事ありがとうございます。
> まだ4才ということで将来的ながんや白血病のリスクが心配ですが、身体に吸収
> された放射性物質は排出されるのでしょうか?
放射線という言葉と印象は、目に見えないですし触れた感触もないだけに、逆に恐怖心をあおるかも知れませんが、CT検査に用いる放射線は、健康診断などで胸部X線検査に用いるものと同じX線で、身体に蓄積するようなものではありません。
検査を行う瞬間のみ発生する仕組みで、それ以外の時間ではCT検査室内にとどまっていても被ばくするようなことはありません。まずその点でご安心いただければと思います。
> また今回浴びた量は年間許容量のどれくらいでしょうか?
またもやややこしいお話になるかも知れませんが、検査に用いる放射線の量には許容量(許容線量)の値は定められていません。なぜならば、その検査を受けることによって、被ばくするリスクよりも診断結果によってもたらされるメリットの方が多いとされるベネフィットによって考えることが必要であるためです。
ただし無条件に、やみくもに検査を実施するわけではありません。まず診断を行う際に、その検査が必要なのか?ほかに的確な診断ができる検査や代替手段はないのか?について主治医が判断する検査の「正当化」というものがあります。
そして、その検査がやはり必要と判断されて、検査の指示(オーダ)が出され、私ども診療放射線技師に送られます。
今度は、診療放射線技師として、検査指示の内容とその目的をカルテの記録や過去の検査記録なども参照しながら確認します。そして、患者さんの年齢や体型体格などをもとに、最小限の放射線の量で最大限の検査情報を医師に提供できる放射線の量を定めて検査を行います。これを「最適化」と表現します。この時、放射線の量が少なすぎても正しい情報を得ることはできません。
> 最後に、がんや白血病になるリスクはどれくらいのレベルの放射線量で高まるの
> でしょうか?
がんや白血病と放射線の関係が取り沙汰されることがあります。放射線被ばくにリスクは0ではありません。しかし、検査に用いる放射線の量でがんが発生する確率は極めて低く、よほど食生活の影響が大きな要因であることが分かっています。環境省ホームページでは、食生活と発がんリスクについて記載されており、肥満や野菜不足は大きな要因であることが示されています。
放射線を用いた検査を怖く感じることは間違いではありません。同じ意味では、よく効くお薬などもそれだけ副作用も考えられますが、病気の症状を軽くすることを期待する方が大きいと考えるために、処方されたお薬は用法どおりに飲まれると思います。
病気にはなりたくなくても、転んで頭を打ったりと病院にかかる機会は、今後も可能性としてあると思います。その時には、検査を受ける利点を担当医や看護師や診療放射線技師とお話しをされ、判断なさってください。またその際に、ここでお話しさせていただいたことを少しでも思い出していただけると幸いです。
> 質問が多くて申し訳ありませんが、教えて頂けると幸いです。
繰り返し質問していただくことが大切だと思っています。遠慮なく繰り返しご相談ください。