(公社)大分県放射線技師会 医療被ばく相談掲示板掲示板
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山田

無題

2022/03/23 (Wed) 02:13:08
娘(4才)が頭部CTを受け440.21ミリグレイ(DLP)の放射線を浴びました。子供にこの被ばく量は適切なのか不安です。現在、風邪のような症状があり、小児科で検査したところ、白血球数が13400、赤血球が390、ヘモグロビン11.1となっています。CTの影響かはわかりませんが、将来的にがんや白血病のリスクが高くなる気がして不安です。
Pass :
相談員

Re: 無題

2022/03/24 (Thu) 13:12:41
山田さま

大分県放射線技師会の相談員です。
当会掲示板のご利用ありがとうございます。
お子さまへのご不安な気持ちの中お待たせし申し訳ございませんが、
お返事には、少しだけお時間をいただきます。ご了承ください。
Pass :
相談員

Re: 無題

2022/03/25 (Fri) 09:36:09
山田さまへ

あらためまして、大分放射線技師会の相談員です。よろしくお願い致します。
4歳の娘さんが頭部CT検査を受けられ、その時の撮影条件が440.21ミリグレイ(DLP)と聞いてその被ばく線量が適切な値なのか、血液データの上昇した値がCT検査の被ばくの影響かも知れないと心配されておられるのですね。
その後、お子さまの症状はいかがでしょうか?
私も3人の子を持つ親として、山田さまの心配される、また不安なお気持ちは十分にお察しいたします。

まず結論的に、CT検査に用いた線量は適切なものであると思います。
医療で用いられる放射線を用いた検査で受ける放射線被ばくは「医療被ばく」として定義し、病気を見つけるために必要なメリットのあるものとされています。

勿論、その線量は適切に管理され、不必要な被ばくを避けるために、装置を作る企業の努力によりその線量は日進月歩で低減されています。
またその装置の性能を十分に発揮して最低限の被ばくで最適な検査を行ない、診断に十分な画像を提供できるように、私ども診療放射線技師も日々努力を重ねています。

医療被ばくについては国際的にもデータを収集し、適切に管理することが求められています。その一つの手段としてDRLがあります。
データの一部を紹介しますと、
頭部CT 1歳~5歳 DLP 660
     6歳~10歳 DLP 850
とあります。これはこの線量以下で検査をしなければならない!という数値ではなく、装置にも様々なタイプがありますので、この値を参考にしながら、各施設の各装置で最適な線量管理をしましょう!という数値になります。

この数値から比べると、お子さまの検査を受けた条件は適切な条件であることが裏付けされまし、もちろん血液のデータにも影響する被ばくの量ではありません。ご安心いただいて構わないと考えます。

少しでも早く病状の改善につながるように、しっかり診察していただき、不安なポイントを解消していきましょう。

以上、簡単ではありますがご質問へのお返事とさせていただきます。
ご不明な点は気軽にご相談ください。

Pass :
山田

Re: Re: 無題

2022/03/25 (Fri) 21:15:02
お忙しい中を返信有難うございました。
その後、頭痛を訴える事なく過ごしています。

しかし、37度代の微熱は、2週間以上経過した今も続き、食欲もずっと無く、体重は2キロも減りました。
CT撮影後から右側の眼をよく擦るようになったのも、今だに続いています。

御社のマンガで見る頭部CT小児編によると、200mグレイ以下で有れば、健康に被害は出ないと記載されていましたが、素人計算で、娘は倍以上の440.21mグレイと思ったのですが、DLPと言うものに換算し直すと大丈夫との解釈でよろしいのでしょうか?
また、その放射線量は、何ヶ月分位の日本での自然放射線量になるのかも、お解りになる様でしたら教えて頂けると嬉しいです。

素人の為、解釈が悪く申し訳ございませんが、また宜しくお願い致します。
Pass :
相談員

Re: 無題

2022/03/26 (Sat) 22:14:12
山田さま
こんばんは。大分は天候が明日に向かって下り坂のようで、
突風が家を揺らして愛犬がワタワタしています。

お子様の頭痛精査としてのCT検査だったのですね。微熱が続き食欲も湧かないなど不安は絶えないところですが、まずひとつ、気になる頭痛が治まるだけでもまずは良かったですね。

当会ホームページのマンガで分かる放射線!をご覧いただきありがとうございます。
数名で担当させていただいています相談員の1人が、今ほど豊富なアプリが出回っていない当時に、マンガソフトを用いて手作りしたものです。学術大会の市民公開講座などで配布していました。

その中に書かれていた「200ミリグレイ以下であれば問題ない」という数値、CT検査で示されるDLPの値の400ミリグレイという数値について、200ミリグレイの2倍では?と心配されておられると思います。

とてもややこしく感じるとは思いますが、両者は同じ単位ではあっても、同じように考えることはできません。

頭部のCT検査は5mm~10mmずつ移動させながら、頭全体を検査していきますが、その時用いるX線は検査を行うサイズに絞り込まれ、同じく細い幅(5mm~10mm)となります。

検査を行う範囲は子供の頭でおよそ12~14cmであり、5mmで検査した場合に24枚~28枚の検査枚数になります。

単純計算とは行かないところですが、ここでは簡略して計算すると、440.21ミリグレイ(DLP)の場合では、検査する部位の線量は15.7~18.3ミリグレイという計算になります。

例えが良くないかも知れませんが、頭に400mLの水を浴びた場合に、5mmごとの視点で考えると、部分的には20mL以下の水しかかかっていないことになります。

また、シミュレーションソフトで計算した場合に、頭以外の部分にはほぼ無視できる程度の線量となり心配いただく必要はない量であるといえます。

長文になり申し訳ございません。ご不明な点は引き続きご相談ください。
Pass :
山田

Re: 無題

2022/03/28 (Mon) 01:29:17
早速の御返答ありがとうございます。まだ4才ということで将来的ながんや白血病のリスクが心配ですが、身体に吸収された放射性物質は排出されるのでしょうか?また今回浴びた量は年間許容量のどれくらいでしょうか? 最後に、がんや白血病になるリスクはどれくらいのレベルの放射線量で高まるのでしょうか?質問が多くて申し訳ありませんが、教えて頂けると幸いです。
Pass :
相談員

Re: 無題

2022/03/29 (Tue) 21:39:53
山田さま

おはようございます。大分の桜は機能の温かさで一気に5分咲きへと開花しました。今週は愛犬との桜並木散歩が楽しめそうです。
山田さまの地域の様子はいかがでしょうか?

引き続きのお返事ありがとうございます。

> まだ4才ということで将来的ながんや白血病のリスクが心配ですが、身体に吸収
> された放射性物質は排出されるのでしょうか?

放射線という言葉と印象は、目に見えないですし触れた感触もないだけに、逆に恐怖心をあおるかも知れませんが、CT検査に用いる放射線は、健康診断などで胸部X線検査に用いるものと同じX線で、身体に蓄積するようなものではありません。

検査を行う瞬間のみ発生する仕組みで、それ以外の時間ではCT検査室内にとどまっていても被ばくするようなことはありません。まずその点でご安心いただければと思います。

> また今回浴びた量は年間許容量のどれくらいでしょうか?

またもやややこしいお話になるかも知れませんが、検査に用いる放射線の量には許容量(許容線量)の値は定められていません。なぜならば、その検査を受けることによって、被ばくするリスクよりも診断結果によってもたらされるメリットの方が多いとされるベネフィットによって考えることが必要であるためです。

ただし無条件に、やみくもに検査を実施するわけではありません。まず診断を行う際に、その検査が必要なのか?ほかに的確な診断ができる検査や代替手段はないのか?について主治医が判断する検査の「正当化」というものがあります。

そして、その検査がやはり必要と判断されて、検査の指示(オーダ)が出され、私ども診療放射線技師に送られます。

今度は、診療放射線技師として、検査指示の内容とその目的をカルテの記録や過去の検査記録なども参照しながら確認します。そして、患者さんの年齢や体型体格などをもとに、最小限の放射線の量で最大限の検査情報を医師に提供できる放射線の量を定めて検査を行います。これを「最適化」と表現します。この時、放射線の量が少なすぎても正しい情報を得ることはできません。

> 最後に、がんや白血病になるリスクはどれくらいのレベルの放射線量で高まるの
> でしょうか?

がんや白血病と放射線の関係が取り沙汰されることがあります。放射線被ばくにリスクは0ではありません。しかし、検査に用いる放射線の量でがんが発生する確率は極めて低く、よほど食生活の影響が大きな要因であることが分かっています。環境省ホームページでは、食生活と発がんリスクについて記載されており、肥満や野菜不足は大きな要因であることが示されています。

放射線を用いた検査を怖く感じることは間違いではありません。同じ意味では、よく効くお薬などもそれだけ副作用も考えられますが、病気の症状を軽くすることを期待する方が大きいと考えるために、処方されたお薬は用法どおりに飲まれると思います。

病気にはなりたくなくても、転んで頭を打ったりと病院にかかる機会は、今後も可能性としてあると思います。その時には、検査を受ける利点を担当医や看護師や診療放射線技師とお話しをされ、判断なさってください。またその際に、ここでお話しさせていただいたことを少しでも思い出していただけると幸いです。

> 質問が多くて申し訳ありませんが、教えて頂けると幸いです。

繰り返し質問していただくことが大切だと思っています。遠慮なく繰り返しご相談ください。
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