まい様
大分県放射線技師会の相談員です。
返信が遅くなりまして申し訳ありません。
正直言って、MRIに関する相談を受けるのは初めてでありますが、一生懸命、お答えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
ご質問いただいた順に考えていきたいと思います。
1.MRI検査室の中は磁場があり磁石の中にいるようなものですが、MRI装置のトンネル(患者さんが入って検査をするところ)に近づくほど磁力は強くなり離れれば磁力は弱まります。
2.MRIでお腹の赤ちゃんに問題があるのは、磁力?電磁波?ということですけれど、MRIの原理から考えますと、検査をする場合、強い磁場の中に入った人体に電磁波を照射して画像をつくっていきます。
この電磁波はラジオ波という周波数帯に属しFMラジオやテレビ放送に使われる種類と同じであり健康を損なうものではありません。
また、現在のところ医療で使われているMRI装置の磁場による有害な影響(胎児や乳児への影響も含め)は報告されていません。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP )の声明では、患者の静磁場への全身ばく露上限値は4テスラとすることを推奨していますが、医療で使用されるMRI装置はこれに準拠しています。
3.MRI装置に近づくほど磁力は強くなり、離れれば磁力は弱くなることは1.で述べました。
妊婦のMRIは16周以降との記載についてですが、2.でもお示ししたとおり、現在のところ医療で使われているMRI装置の磁場による有害な影響(胎児や乳児への影響も含め)は報告されていませんが、細胞分裂が盛んな器官形成期(妊娠4〜12週)は極力避けることが望ましいとされています。これは妊婦がMRI検査をする場合であって、まい様の場合、MRI検査を受けたわけではないので該当しないと考えます。
日本小児放射線学会のホームページに掲載されているのですが、
2016年9月6日に世界的に権威のある医学雑誌JAMAに
胎児MRI施行における胎児及び出生後の小児への影響について発表された論文には、「妊娠初期に胎児MRIを行った児は、行っていない児と比較し、成長障害、視力、聴力、発がんなど明らかな影響は認められなかった。」と、あります。
以上のことから、まい様のお腹の赤ちゃんには影響はないものと考えます。
よろしくお願い申し上げます。