(公社)大分県放射線技師会 医療被ばく相談掲示板掲示板
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aki

腹部CT、腰レントゲンの卵巣の被曝について

2022/10/30 (Sun) 15:23:16
お世話になります。19歳女です。

深夜、右下腹部痛で救急外来を受診し造影剤なしCT検査を1回受けました。
結果、初期の虫垂炎でそのまま入院となりました。
機種はIngenuity CoreかBrilliance64のどちらかで(見た目的にはBrilliance64だったような気がします)、診療明細によると撮影部位は腹部です。憶測ではありますが救急だから、すごくいい画質で撮ったかもしれません。

その約一ヶ月後、股関節痛、腰痛で整形外科を受診した際、腰のレントゲンを撮りました。体の角度を変えて何枚も撮った覚えがあります。
機種はわかりませんが最近出来たばかりの整形外科で、レントゲン室の扉も薄いので比較的線量の低い機械を導入しているのかな?と素人判断で思っています。
検査の結果、腰椎が潰れていて今はリハビリ中です。

CTもレントゲンも、無駄ではなかったとは思いますが放射線の影響が大きいとされる卵巣をたくさん被曝してしまったので、わたしは将来高い確率で卵巣がんやその他お腹の癌になるのでしょうか?
心療内科へも通院していて不安を感じやすいです。

おそらくどのくらいの被曝量があったのか、卵巣やその周辺への影響、具体的にはどのくらい確率が上がったのかについて教えて頂けたら嬉しいです。身長体重170センチ56キロです。
また、腹部骨盤CTを1000人が撮ったら確率的には一人がそれによって癌になると記事で読みましたが、これは医薬品などの副作用と同じように、1000人に一人の副作用として実際に1人の人がCT撮影が原因で癌になるという考え方でしょうか?それとも、CTによって癌になる確率が0.1%高くなり、残りの99.9%は食事や生活習慣が関係して癌になるという考え方のほうでしょうか?
1000人に一人の副作用なら当たる可能性があるのでとても怖いです。

よろしくお願いいたします。
Pass :
相談員

Re: 腹部CT、腰レントゲンの卵巣の被曝について

2022/10/31 (Mon) 20:01:33
aki様

今回、担当させていただきます被ばく相談員です。私にも19才の娘がいます。
よろしくお願いします。

まず、今日は明らかなところからお答えしていきます。

CT撮影で救急だからといって、普段より被ばく線量を上げて、すごくいい画質で撮るということはありません。

CTもレントゲンも、無駄ではなかったという思うことは、素晴らしいと感じました。

今回の検査では、将来高い確率で卵巣癌やその他お腹の癌になることはないかと考えます。

腹部骨盤CTを1000人が撮ったら確率的には一人がそれによって癌になると記事で読みましたとのことですが、どこの記事かわかれば教えてください。

詳しくは、少し調べさせてもらった上で確認してからと思います。少しお時間をいただけますか。よろしくお願いいたします。


Pass :
aki

Re: 腹部CT、腰レントゲンの卵巣の被曝について

2022/11/01 (Tue) 12:51:39
相談員様
返信ありがとうございます。
よろしくお願いします。

救急であっても線量があがるわけではないと聞いて、少し安心しました。
また今回の検査で将来高い確率で癌になることはないということでひとまずほっとしました。

記事は 
海外がん医療情報リファレンス 画像診断のX線ががんの原因に~医療者と患者への行動の呼びかけ~
というものです。
身近な看護師さんや理学療法士さんは「医療の検査で癌になるなんてないよ!あなたの量なら大丈夫。もっと撮ってる人たくさんいるし、だったらお年寄りみんな癌だらけになっちゃうよ!(笑)」と言うのですが…この記事を読むととても怖く不安になりました。

調べて下さりありがとうございます。
よろしくお願いいたします。


追記
病院に問い合わせたところ、腹部CTは
DLP608.6だそうです。実行線量10ミリシーベルトくらい?とのことです。
また、もうひとつお尋ねしたいのですが、腰のレントゲン被曝量はネットで調べたところ正面が4.8ミリシーベルト、側面が6.8ミリシーベルトと書かれていました。
これだと6方向から撮ったら腹部CTの数倍の被曝量になりかねませんが、普通のレントゲンでそんなことあるのでしょうか
実際、腰のレントゲン6枚では被曝量はどのくらいですか?
Pass :
相談員

Re: 腹部CT、腰レントゲンの卵巣の被曝について

2022/11/06 (Sun) 09:41:52
aki様

返信が遅くなりまして申し訳ありませんでした。
海外がん医療情報リファレンスはネットで見つけることはできたのですが、残念ながら「画像診断のX線ががんの原因に~医療者と患者への行動の呼びかけ~」は、見つけることができませんでした。

放射線の人体への影響を考える場合、人体全体への影響を表す実効線量(mSv)を使います。私の私見ですが、腹部CTは10mSv程度、腹部(腰椎)レントゲンは1mSv程度、胸部レントゲンは0.1mSv程度と考えています。桁が違うのがお分かりかと思います。腰のレントゲンを6回撮ったのであれば6mSv 程度でCTよりは少ないと考えていいかと思います。

ネットで調べた腰のレントゲン被ばく量の単位はミリシーベルトでしたか?ミリグレイではなかったですか?ご確認ください。

腹部骨盤CTを1000人が撮ったら確率的には一人がそれによって癌になると記事で読みましたということですが、
一般的には、100mSvを被ばくすると0.5%がんで死亡する確率が増すと言われています。これからすると、10mSvを被ばくすると0.05%がんで死亡する確率が増すことになります。今回20mSvを被ばくしたとすると0.1%がんで死亡する確率が増したと考えられます。つまり、1000人に1人ががんで死亡することになります。

以上のような考えを使って、放射線管理や防護を考えていくのですが、医療の診断領域で使用する100mSv未満の低線量領域の被ばくでは、本当にそうなのかということが確認されていません。その根拠として原爆被爆者の追跡調査の結果、100mSv未満の低線量領域の被ばくでは、被ばくしていない人と比べて有意な発がんリスクの増加は確認されていないからです。

また、人体には放射線によって細胞が傷つけられても、それを修復する作用や突然変異細胞を除去する機能等が備わっており、放射線から防御しようとしています。

全てにお応えできてないかもしれませんが、よろしくお願いします。



Pass :
aki

Re: 腹部CT、腰レントゲンの卵巣の被曝について

2022/11/06 (Sun) 20:14:49
相談員様

お返事を下さってありがとうございます。
拝読して、放射線被ばくによって癌になる確率は決して高くはないということを説明して下さり、安心できました。ありがとうございます。
例えば、運動不足は今回の放射線被ばくより比べ物にならないほどずっと大きく癌のリスクを増加させるそうですね。腰のレントゲンを撮り、リハビリをすることになり、それがきっかけで鬱で寝てばかりだった私はこのままはヤバいと習慣的に運動をするようになりました。逆に将来の癌リスクは減らせたと思います。そのように考えます。
この度は相談にのっていただき、ありがとうございました。
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